猫とワタシ

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背中合わせのNight&Day

この記事のみを表示するじいちゃん

LIFE

小学生の時、初めてのマイ自転車(三輪車ではない)を
買ってくれたのは、母方の祖父でした。

友達の自転車を借りて猛特訓した末に何とか乗れるようになった私は、
自分の自転車が欲しくて欲しくて、まず母にねだりました。
すると母は「じいちゃんに『自転車を買って』って手紙を書いてみたら」
というようなことを私にアドバイス? してくれました。
素直??だった私は、早速祖父に手紙を書き、郵便を出しました。
(祖父は、うちから車で1時間くらいのところにある場所(母の実家)に
住んでいて、そうしょっちゅう会っていたわけではありませんでした)

私の手紙を読んだ祖父は、すぐに自転車を買ってくれました。
母ちゃんのアドバイス、すげー!
……っていう話じゃなくて(汗)、そういうお願い事というかおねだり事を
手紙に書いたりしたのは私も初めてのことだったので、
それをちゃんとじいちゃんがわかって受け止めてくれたということが、
とってもうれしかったのです。
自転車を買ってもらえたことももちろんうれしかったけれど、
子供心にもじわんと温かくなるような気持ちと気持ちのやりとりを感じた、
あれが最初の経験だったのかもしれません。


それからしばらく、お礼の手紙を始め、何度か祖父宛てに手紙を書いて送りました。
祖父からは返事はないけれど、でも受け止めてもらっているという安心感は
何となくずーっとありました。

そんなある日、祖父や従兄弟たちの住む家に遊びに行きました。
さんざん遊んで、そんではそろそろ帰るべ~、と帰り支度をしていると、
その当時まだ元気だった祖母が私のそばにそっと近づいてきました。
そしてこっそり内緒話をするように、耳元でこう言ったのでした。
「これからもたまにじいちゃんに手紙書いてやってな。
じいちゃん、楽しみにしてるから」

祖父を想う祖母の気持ちに触れて、またまたじわんとしたもので
胸がいっぱいになったことを覚えています。


喪服を出していたら、衣装ケースの中でもうずいぶん長いこと着ていない、
千鳥格子のダブルのジャケットがのぞいていて、
「あー、これは上京する時にじいちゃんが入学式用にと
いわきの大黒屋(今はなき老舗百貨店)で買ってくれたスーツだぁ」と
思い出しました。
今後ももう着る機会はないにしても、これからも大切にしようと思います。
なんだかあのスーツは、とってもじいちゃんって感じがする。

この記事でちょっと書いたことのあるじいちゃん、
あれから2年、すっごく頑張って生きて、
先週のある日の昼間に90年の人生の幕を閉じました。
本当に眠るように、静かに息を引き取ったそうです。
長い間、お疲れ様でした。
たくさんありがとう、じいちゃん。


じいちゃんはずーっとじいちゃんだったなぁ。