猫とワタシ

BACK TO BACK

背中合わせのNight&Day

この記事のみを表示するあのバスに乗って-①「行ってらっしゃい」@東京

TOKYO


この花の名はヒメレンゲ。初夏の御岳山にて撮影しました。
この写真とはまったく関係ないのですが、
今日は5月頃に出会った心に残ることを書きたいなと思います。
感謝をこめて。
仕事のために、普段はめったに行くことのない都内近郊のある町を訪れた時のこと。
目的地に行くには、その町の駅前から路線バスに乗るのが
もっとも安上がりで確実な方法でした。
そこで駅を出た後、まずバス乗り場に行って時刻表をチェック。
すると次のバスがくるのは20分以上も後ということが判明。
それを待っていたら仕事に遅刻する…これはもうタクシーに乗っちゃおう。
そう思いつつ、どっちの方へ向かえばいいのかとバスの路線図を見ていると、
ひとりのおばあちゃんがやはりバスの時刻表を見にやっていきました。
小柄でかわいらしい雰囲気の、品のよいおばあちゃん。

おばあちゃんはバスの時間を見て、「しばらくこないのね」とつぶやきながら、
その場を離れていきました。
でもまたすぐに引き返してきて、「あなたはどこまで行くの?」と私に聞いてきました。
バスの路線図を凝視している私は、明らかにその土地に不慣れな人に
見えたのだろうな。わざわざ気にかけて戻ってきてくれたのです。

「××公園に行きたいんです」と、その町の人なら誰もが知っているであろう
大きな公園の名前を告げると、
「あら、それなら向こうのバス停から別の会社の路線バスも
出てるわよ。そっちのほうが本数も多いからいいわよ」
と教えてくれました。
おばあちゃんにお礼を言いながらも、もうタクシーに乗るからいいやと
内心思っていました。その時までは。
とりあえずおばあちゃんの教えてくれた別の路線バス乗り場と
タクシー乗り場は同じ方向。
そちらを目指して、おばあちゃんとしばし一緒に歩くことになりました。
「あっ、そういえば、もしかしたら市内循環バスがちょうどあるかもしれないわ。
私もそれに乗るつもりなんだけど、そのバスも××公園まで確か行ってるはずよ。
循環バスならどこまで乗っても一律100円なのよ。そのほうがいいでしょ、ね」
と、歩きながらよりよい方法を考えようとしてくれているおばあちゃん。

目指すバス乗り場が近づいてくると、
その市内循環バスが止まっているのが見えました。
「あら、ちょうどバスがきてるわ、走りましょう!」
循環バスに向かって駆け出すおばあちゃん。その後を慌てて追いかける私。
タクシーに乗ろうと思っていたことなんぞ、もう忘れてしまった。
循環バスの前までたどりつくと、おばあちゃんは息を切らしながら
すぐさま運転手さんに「このバス、××公園まで行きますか?」と聞いてくれました。
「行きますって!よかったわね!」
私にそう言いながら、我がことのように喜んでくれるおばあちゃん。
ありがとうございます……。
おばあちゃんのやさしさにかなりジーンとしながら、そのバスに乗り込みました。
おばあちゃんは後ろのほうの席に、私は前の席に。
もしおばあちゃんが先にバスを降りるなら、その前にもう一度お礼が言いたい!
そう思って、バスが停留所に停まる度に、
後ろのほうをちょっと振り返ってみたりしていました。
が、そんな感じでいくつかの停留所を過ぎ、
いつのまにかぼーっと前を見たままバスに揺られていた私。
不意に背後から肩をとん、とやさしく叩かれました。
振り返ると、おばあちゃん。

「私はもう次で降りるから。行ってらっしゃい」

それからほどなく次の停留所となり、おばあちゃんはバスを降りていきました。
バスの中から窓越しにおばあちゃんの姿を探すと、
おばあちゃんも歩道から私のことを探してくれていました。
目が合ったおばあちゃんに、最後にもう一度会釈。
にっこり、にっこり。
バスを見送ってくれるおばあちゃんの笑顔に胸が温かくなって。

「行ってらっしゃい」

いつもよりちょっとだけやさしい気持ちで、
その日の仕事に臨むことができました。

コメントの投稿

secret

No titleNo title

以前にも書いたような気がするけど、gunungさんってうるるんな出来事遭遇率がすっごく高いよねー。それってきっとハートウォーミングな人をgunungさん自身が引き付けているからだと思うのー。
いい意味で類は友を呼んでいるのね。
私なんて日々会社でイライラばっかりしてるからいけないんだわ、精進、精進。

No titleNo title

 いい話だ~。朝からジ~ンときました。
 ほんと、gunungさんの人柄でひきつけてるんだろうね。
 
 こんないい話はないケド(申し訳ない)市の駐輪所にチャーリーを停める時
 に、おっちゃんから「こんにちは~」「いってらっしゃい~」「今日はお金いらんわ~ 気をつけて行っておいで」って。
 この言葉でもなんか嬉しくなりました。めったに利用しないのに・・・。
 
 職場でも挨拶しても挨拶かえしてくれない患者さん多数・・・・
 
 ちょっとした一言で嬉しくなるのにね・・・。

No titleNo title

ベッティーナさん
いえいえ、ちょっといいことあったんだ~♪とか、いい人に会ったんだ♪と
いうことをたまに長々と書くので遭遇率が高いように感じてもらえている
だけだと思いますわー。
ベッティーナさんのコメントも私にとって、とてもハートウォーミングです!
ありがとうね。
でもなんというか、日々いやなことがあまりにも多かったりするけど、
やさしい人ってホントいっぱいいるんだなぁと、このところ思っていて、
今はちょっと書きたいモードになってます…。私に対してだけじゃなくて、
当然いろんな人に掛け値なしにやさしくしてるんだと思うのよね。
そういう人に会う度に、私も精進しなければ、といつも思うんだけどね…。

No titleNo title

なおさん
本当に、とってもやさしいおばあちゃんですよね。
私の人柄は決してよくないので(自分で言うのも何ですが・笑)、
あのおばあちゃんは誰にでもそういう感じで親切にしている方なんだろうなぁと
思うのですわー。
でもそんな風に書いてくださって、ありがとうです♪
駐輪場のおじさんのお話もいいですねー!
「気をつけて行っておいで」なんて素敵な言葉だわ。
そういうことを気持ちよく言える人って、やっぱりいい生き方をしてるんだろうなぁと
思います…(ちょっと大げさかな!?・笑)。
でもホント、ちょっとした一言でうれしくなるものですよね~。
なおさんの職場の方々も挨拶を返してくれなくても、きっと心の中では
うれしいのかも?とか思ったりなんかしたりして。でも挨拶はやっぱり大事よね。

No titleNo title

温かい心を持った人は、温かい心に迎え入れられる・・・。
「情けは人の為ならず」
常に情をかけている人は、「お天道様」がチャァ~ンと見ているということ
なんですね!?。(^^v

No titleNo title

baik2さん
おはようさんでーす!
あのおばあちゃんのことはホントにお天道様にちゃんと見守っていて
ほしいなぁと、大きなお世話かもしれませんが、とっても思ってしまいます。
私はまったくもって自己中人間なので、逆にそういう思いやりのある人に
めぐり合わせてもらっているのかな、お天道様に……。
とついマジメに書いてしまったばい(笑)。
でもホントに教えられることは多いものですねぇ。

トラックバック

この記事のトラックバックアドレス

→この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)