猫とワタシ

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背中合わせのNight&Day

この記事のみを表示するアリガトウ

NYC



ニューヨークから日本に帰る日の早朝、
またもや時差ボケによる不眠と空腹に耐えきれず、
ホテルのすぐ近くにある24時間営業のレストランへ。
朝5時半とかそんな時間で、お客は私たちだけ。
多分、そのレストランの店主なのかな、と思わせるような
落ち着いた雰囲気のおじさまスタッフが注文を聞きにきてくれました。
おじさまはとくに笑顔も愛想もなく、注文の聞き方もどちらかといえばぶっきらぼう。
とっつきにくそうではあるけど、かといってイヤな感じはしない。
そんな雰囲気の人でした。



注文した目玉焼きと芋料理(コンビーフ炒め)を
おじさまが運んできてくれました。
帰国日なので、あともうちょっとの我慢ではあったけれど、
かなり醤油味に飢えていた私と友達。
この目玉焼きに醤油をかけて食べた~い!!
そこで「ソイソースはありますか?」と尋ねてみると、
質問の意味がよくわからない様子のおじさま。
「ソイソース、ソイソース!!」と必死でくり返す私と友達。
おじさまは曖昧な表情ながらも「OK」と言って、厨房のほうへ行きました。
そしてしばらくしてから2~3本の瓶を抱えて戻ってきてくれました。
ウスターソースにステーキソースに、あと何か洋モノソース。
「OK?」とおじさま。
「OK!サンキュー」と私たち。
望んでいたものとは違ったけれど、おそらくお店にあるソース各種を集めて、
何とかリクエストに応えてくれようとするおじさまの気持ちがうれしかったのです。
それにそれらのソースもしょっぱ系で、
求めていた味にもそれなりに近くて美味しかったし。

食後のコーヒーを運んできてくれたおじさまが、
「あなたたちは日本人ですか?」と尋ねてきました。
「イエス」と答えると、おじさまは納得したようにうなずいた後に
「アリガトウ」、とゆっくりと言いました。
唯一知っている日本語らしい。
おじさまはそう言いながらもあまり表情はくずさずポーカーフェイスのまま。
でももちろん私たちのために言ってくれているわけで、うれしくなる。
(ニューヨークでは基本的に観光客扱いというものをされることがないし、
知っている日本語でコミュニケーションをとろうとしてくれるサービス業の人なども
ほとんどいないので、このやりとりはある意味いつも以上に沁みました)


こちらも「ありがとう」と返すと、おじさまもまた「アリガトウ」。
おじさまの「アリガトウ」は語尾がちょっと「ン」っぽく聞こえました。
アリガトンっていうちょっと甘めの発音がキュートで、
こっちの顔も満面の笑みになっていたと思うのですが、
おじさまの表情も心なしかやわらかくなって、
ぽわーんと心が温まる、そんな朝のテーブルになりました。

レストランからホテルへと戻り、友達とエレベーターの中で
そのおじさまのことを「素敵な人だったね」とか話していました。
話の流れで私がおじさまの「アリガトウ」の発音を真似すると、
一緒にエレベーターに乗り合わせていたきれいな欧米人の女性が、
急に私たちのほうを向いて笑いかけてきました。
そしてはにかみながら早口でこのようなことを言ってくれました。
「ごめんなさい、急に笑ったりして。
私、日本語は全然わからないけど、『アリガトウ』という言葉だけは
知っていて、今その言葉を日本人のあなたたちが実際に使っているのを
聞くことができて、とてもハッピーな気持ちになったの」

今さらだけど、いい言葉だなぁとその時思いました。
とってもね。しみじみと。
ありがとう。

コメントの投稿

secret

No titleNo title

ちょっと、じんわり、泣きそうになった。
いい言葉だね。ありがとうって。
ありがてぇって名曲もあるしね(笑)

こういう、どうってことないんだけど、
大切な思い出の話って、いいよね。
旅に出たいなー、と、また思いました。
ありがとう。

No titleNo title

あのね、たいちょは そういうなんでもないことのなかにある優しさとかに
とっても敏感なやまさまの心の機微っていうんですか?そういうものを
とってもいいなとしみじみ思います。
バリんちの以前のオテツダイーヌの息子(小学生)がね、いつもイネ語
なんだけど私にお礼言うときだけ絶妙のタイミングで「アルィガトッ」って
(リはRの発音でね:笑:)すっごく短く言うの。その絶妙のタイミングと
ちょっと照れ気味にぎこちなく早口で短めにいう感じが、どんなに丁寧に
「有難うございます」って言われるよりも気持ちが伝わる感じがして
すっごくほのぼのするんだよな。なんかそういうことを思い出しました
やまさまのお話や記事を読んでると、普段忘れかけているあったかい
気持ちを思い出すことができて癒されます。いつもありがとん(笑)

No titleNo title

ぅ~ん,このTOPICも私大好き!!
っぃ②コメント書ぃてしまぃますщ( ̄∀ ̄)ш

前半のレストランのぉじsama,ぃぃですねぇ~。
そぅか~,ぁんまり知ってる日本語使ってまでホスピタリティ出そぅとはしなぃモノなのですネ,BALIが特別なのかな?

んでェレベータで会った女性はまた『ァリガトン』とぉじsamaの発音で日本語を覚ぇたヮケですネ…。その辺①帯での日本語のぁりがとぅはそのぅち『ァリガトン』で統①されるコトでしょぅナヽ( ´ー`)ノ

No titleNo title

こんばんは!
読んでて、心がポカポカしてきました。
うんうん、『ありがとう』って、いい言葉ですよね。
言われて絶対イヤな思いする人、いないですもの。
私も心から自然にこの言葉が言える人でありたいなと・・・
人を待たせた時、「待たせてごめんね~」というより「待ってくれてありがとう!」と言うほうが好き。
旅先でのこんな触れ合いって、やっぱいいな。

No titleNo title

とこちゃん
ね、いい言葉ですよね。きっと外国人にももっともなじみのある日本語の
ひとつなのだろうけど、日本には素晴らしい言葉があるんだなぁ、なんて
逆に改めて教えてもらったような気分でした。
そしてホント、どうってことない小さな出来事なんだけど、わりとこういう
ことがその街の印象としてずっと残ったりするんですよねぇ。
旅っていいよね。いいものだ。行きたい街や国のこととか考えるだけでも
楽しいし。こちらこそありがとう!

No titleNo title

viajeraさん
いやん、私には過分なお言葉ですわー。でもありがとう。
しかし自分自身が根本的には鈍感でやさしさの足りない性質なので、
その分感じたことは大切にしていきたいと思っているかなー・・・、とか、
ふと考えてみたりしたのですが、でもそんなふうに思ってもらえて
いるのは、素直にとてもうれしいですっ!
そして隊長の「アルィガトッ」のお話には私も癒されましたよん。
いいなー、その子。さらにバリニーズのあの巻き舌のRの発音とかも
思い出して、すっごく懐かしい気持ちというか、何やら胸キュンな感じ。
私も久しぶりにバリの大好きなあったかさを思い出すことができました。
ありがとん(笑)。

No titleNo title

もひょつさん
うれしいコメント、ありがとう!
このおじさま、ホントに素敵でした~。帰る時にも「忘れ物しないでね」とか、
ちょっとしたことなんだけどわざわざ言ってくれたりして、ありがたかったです。
ところで自分は行かなかったのでうっかり忘れていたのですが、
日本人がよく買い物をするような高級ブランド店などでは、店員さんが
とても流暢な日本語で接客してくれたと友達が言ってました。
でもリゾートと大都市の違いというのは当然あるとは思うんですけど、
バリってホスピタリティ先進島なんだなぁ~としみじみ思った旅行でも
あったりしましたよん。その点において圧倒的にバリはスゴイと思う!

あ、でもエレベーターの中で会った女性は私よりも滑舌よく「アリガトウ」と
はっきり発音されていたので、きっと大丈夫だと思いまする(笑)。
しかしもひょつさんのツッコミ(?)にもウケたとです(笑)。

No titleNo title

バリバリさん
こんばんは!
そうですよねー。ありがとうって、言っても言われてもハッピーになれる
言葉ですよね。
でもでもそれにしても「待ってくれてありがとう!」は目からウロコです~。
私は「待たせてごめんね」でずっときたけど、もし自分が待つ立場だったら
「待ってくれてありがとう」って言われたほうが確実に気分はいいはずと
すごく思いました。バリバリさん、素敵だわ!
私が待ち合わせの時にそういう言葉がすんなり口から出るようになるまでは
ちょっと時間がかかるかもしれないけど、できるだけ心がけていきたいなーと
思います。ありがとう!

No titleNo title

最近ストレス溜まりまくりで、心がからっからに干からびている
ベッティーナです。
でも、gunungさんの記事を読むと束の間じんわりと胸が熱くなって、
こんなことじゃいかん!と反省するのですが日常に戻るとまたいつもの
繰り返しで。。
そのおじさまとても素敵です。無愛想なんじゃなくてきっと照れ屋さん
なんでしょうね。エレベーターの女性もまた素敵。わずかな時間でも
笑いかけたことに対する説明をきちんとしてくれるなんて、その配慮が
うれしいですね。
感謝の気持ちって本当に大切です。そう思うだけで優しくなれますもの。でも思うだけじゃなくて、言葉にしないと相手には伝わりませんよね。
ということで心を込めて、gunungさんいつもありがとう!

No titleNo title

ベッティーナさん
こんにちは!
私も日常の仕事などにおいてはストレス溜まりまくりですー。
だから旅という非日常での思い出話に逃避しがちなブログになっているのかも(つまりとても自己満足)と思うのですが、でもそんなふうに思って
いただけるのは本当にうれしくて、私のほうこそ感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとう、ベッティーナさん!
おじさまが無愛想なんじゃなくて、照れ屋さんっていうのもその通りですね。
こうしてコメントをいただいて、この思い出はますます私の中で素敵な
ものになりました。本当にありがとう♪

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