猫とワタシ

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背中合わせのNight&Day

この記事のみを表示する真剣に。

BALI



バリ島・タナロット寺院

’93年にタイを2カ月回った後、マレーシアのペナン島に入り、
そこからバリ島へと一気に飛びました。
バリ島に1カ月滞在した後、インドネシアの他の島を1カ月で回ろうと
予定では思っていたのですが、結局バリ島にて沈没。
ウブドのTebesayaで2カ月間、まったりと過ごしました。

せっかくのバリ島での長期滞在、何か習い事でもしたいな~と、
ウブドに滞在を始めてまもない頃、ふと思い立ちました。
泊まっていた宿にたまたま竹ガムランのティンクリックがあり、
その軽やかな音色に惚れた私は「この楽器を習ってみたい!」と、
宿のオーナーにさっそく相談。
するとオーナーは近所に住んでいる、あるガムラン奏者の人を
先生として紹介してくれました。

でも最初はその先生に、私に対する指導を断られてしまいました。
理由は、「自分は英語をまったく話せないので、
インドネシア語を話せる相手じゃないとムリ。
会話ができない人にうまく教える自信はない」とのこと。

えーっ、そんなっ。
これからインドネシア語も勉強しますので、
どうぞなんとかよろしくお願いします!!
さらに宿のオーナーも先生を説得してくれて、
かなりしぶしぶながらも、先生はどうにか引き受けてくれたのでした。

それからはマンツーマンで、毎日午前中に2時間のレッスン。
ただ楽器を演奏している分には、実際それほど会話は必要とはしなかったけれど、
レッスンの間に10分ほどある休憩タイムは、先生がいれてくれたお茶を
いただきながらのトーキングタイム。
この時ばかりはある程度ちゃんとお話をしなくてはなりませぬ。
先生が私にプレゼントしてくれたインドネシア語-英語の辞書を
ふたりでひっくり返し合いながら、なんとか意思の疎通を図っていました。
先生はやさしく、言葉がお互い不自由な状態ながらも
必ずどこかに「笑い」を作ってくれる人。
その休憩タイムはとても和やかで楽しいものでした。

そんなこんなで、なんとかぼちぼち会話はできるようにはなってきたものの、
まったく上達しないのが私の楽器の腕。
今思えば、楽器を演奏する才能なんてそもそもないくせに
よくやろうとしたもんだな~って思うのですが、
いくら教えてもらってもあまりにもうまくできないので、
だんだんとやる気がなくなりかけていきました。

そのやる気のなさは、きっと練習中もかなーり表に滲み出ていたはず。

ある時、楽器を前にぼ~っと、だら~っとしていると、
先生が私の肩をちょんちょんと叩き、あるページを開いた辞書を差し出してきました。
その開かれたページ上で先生が指している単語を見ると、
「sungguh」というインドネシア語が。
英語の意味は「serious」。
そしてその辞書を差し出しながら私をじっと見る先生の顔は、
まさにserious。
「真剣にやりなさい」
いつもはにこやかな先生が、ただ一度だけ厳しい表情で言った瞬間でした。

真剣じゃないのを見抜かれたことが、
とっても恥ずかしかった。
それに先生に対してなんて失礼なことをしてるんだろうって、
申し訳ないわ、自分が情けないわで、一気に自己嫌悪のドン底に。
そしてようやくやっと、背すじがピシッと伸びたのでした。

それからは少しずつ、でも着実にできるようになっていき、
その度に先生は我がことのように喜んでくれて、
私が日本に帰国する時には100万回くらい「Jangan lupa(忘れちゃダメだよ)」と
言ってくれたのに、もはやすっかり忘れちゃってごめんなさいー状態なのですが
(ホント、ダメじゃんって感じ)。

でもとにかく「真剣に」と先生に諭されたあの時のことだけは、
これからも忘れちゃいけないなと思っています。
人として忘れちゃいけないことだな、と。


写真は、宿のスタッフのコがバイクで連れて行ってくれたタナロット。
午前中は楽器の練習、午後はウブド散策と昼寝。
夜は毎晩のようにダンス観賞という当時のルーティンの中で、
ちょっとしたスペシャル感をもたらしてくれたのが、
こうした夕方のお出かけタイム。
そのコが砂の寺↓(わかりにくい写真ですが)を
砂浜に作り上げていくのを見ながら、
バリという島にどっぷりはまり始めている自分を感じていたのでした。


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secret

No titleNo title

gunungさん、malam!
おおー、すごい!ティンクリック、習ってたんだぁー!
2ヶ月バリで過ごしたなんて、裏山スカリですわ~(>_<)
そうか、その時にイネ語、習得したんだね。私なんて、回数は結構
こなしてるけど、短期だからゆっくり何か習うとかしたことないし、
なかなかイネ語も身につかない。。あ、いかん!そんな言い訳したら
ダメよね。短期でも出来る人は出来るんだから!
でもその先生の一言、身にしみますわ・・・(苦笑)

No titleNo title

バリバリさん
sore~!
私も先生の一言はどうも忘れられなくて。大人になって人から言われる
ことはめったにない言葉だけに、ガツーンとやられた感じでしたわぁ。
インドネシア語は、結局この時はちょっとかじった程度で終わってしまった
ので、帰国してからしばらくの間、日本の教室にてジャワ人の先生から
改めて習ったのでした。でも先生は丁寧な言葉遣いや表現をとても大切に
されていたのに、私のイネ語はいまだに荒っぽくてテキトーなんですよね・・・。
考えてみると、やっぱり真剣さが常に足りないかも、ワタシ(反省)。

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