猫とワタシ

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背中合わせのNight&Day

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しばらく前の話ですが、初めて入った和食屋さんでお昼ごはんを食べたときのこと。
カウンター席に座り、注文を終えてスマホを眺めていると、カウンターの向こうから店長さんらしき若い男性に、「何を読んでらっしゃるんですか?」と突然聞かれたのであった。

「えっ、スマホを見てるんですけど」と答えると、「あ、そうなんですか。文庫本なのかと思って。失礼しました。あの、実は僕、すっごい読書にはまってて、人が読んでる本までつい気になっちゃうんですよね」
「へえ。そうなんですか。いつもどういう本を読まれるんですか?」と何気に聞き返したところ、そのひとは目をキラキラさせて好きな本や作家についてあれこれ話し始めた。
短い時間ではあったけれども、しばし読書談義に花が咲く。

そのひとはめちゃ話がうまい&ものすごく読書愛にあふれていて、話を聴いているだけでおもしろい。とにかく「読書」という行為そのものにかける情熱が並々ならぬお方なのだなということがひしひしと伝わってくる。

そのひと曰く「読書ほど最高の娯楽はない!」
たいしたお金もかからず、場所も選ばず、ひとりで楽しめて、本を通してさまざまな世界に入っていけるから。

「子供の頃は全然本には興味がなくて、まったく読んでなかったんですけど、高校のときに母親が「これを読みなさい」って『アルジャーノンに花束を』を買ってきてくれたんですよ。あの本を読んで、こんな世界があったのか!と目覚めたんですよねー。あれ、読みました?」
ずいぶん昔に読みましたよー。
そこでアルジャーノンでどんだけ泣いたかーという話になり、そこから過去最高に泣いた本は何かとか、そんな話にもなった。

わたしはだいたいにおいていわゆる「お涙頂戴もの」に弱く、たいていまんまと泣かされるんですよねー、なんてことを話すと、では『タイタニック』では泣いたか? と突如映画の話に。
泣いた。わしは泣いたよ。
「どこで泣きました?」とそのひと。
あの、一番最後のシーンで……。
「うわーっ、同じ同じ!!同じところで泣きましたーっ」
あの、最後にレオ様とケイトがみんなから祝福されているシーンね。
やっぱりあの映画は、あそこっすよね。あのシーンっすよね。たまんないっすよね。

そんなに誰かと『タイタニック』について語り合ったことはないけれど、あのシーンのことでこんなに共感し合える人が世の中にいるとは!(←大げさ)
レオ様が海に沈んでいくシーンとかには涙腺は刺激されなかったのだが、もうほんとにあの最後のシーンはいまだに思い出してもうるっとくるんだなこれが。

それにしてもそのひとの読書に対する愛と情熱は、思い出す度に心が温かくなるほど。
それだけ大切に大切に、楽しんで本を読んでもらえたら、作家さんもうれしいだろうなと大きなお世話なことまで思ってしまう。
自分はめっきり読書量が減っている今日この頃だけど、あの楽しみ方、まねしたい。

そして『タイタニック』の話になると、ついでによみがえってくるのがバリ島での『タイタニック』爆笑事件
当時はほんとカルチャーショックだったけれど、今はすんごく懐かしい。おもしろかったなあ。
最近そういう気持ちもだんだん消えていたけれど、久しぶりにバリ島が恋しい。