猫とワタシ

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背中合わせのNight&Day

この記事のみを表示するやさしさ

LIFE

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「お米にナフタリン入れるのよ」
不意に聞こえてきた会話に、えっ、と驚き、つい聞き耳を立ててしまった。
ある日の銭湯の脱衣所で。
おばあちゃんふたりが着替えをしながら交わしていた話。
ふたりの共通の知人の近況についての話題らしい。

「ナフタリンなんか入れたらくさいじゃない」
それを聞いたおばあちゃんが言う。

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「でもね、お米に虫が湧くから米櫃にナフタリン入れておいたわよ、って言うのよ」

「つまり、それが病気ってことなんだね」

「そう、病気がそうさせてるんだと思う」

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「自分もいつそういう病気になるかわからないわよね」

「そうそう。病気なんだもの」

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お米にナフタリン、とだけ聞こえてきてまずぎょっとしたわたしであったが、
その後に続いたおばあちゃんたちのやりとりは思いがけず心の深いところに、きた。

お米にナフタリンを入れている誰かのことを蔑んだり見下したりするのではなく、、
それは病気がさせていることで、その病気には自分たちだっていつ突然かかるかもわからない、と
ごく静かに淡々と話しているおばあちゃんたちに尊敬の念を抱いた。
同時に自分の未熟さも思い知らされた。

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自分だってそうなるかもしれない、あるいはそうなっていたかもしれない。

そう真剣に考えたら他人事にはできないこと、とてもたくさんあるはずなのに。