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#TOKYO

寒すぎた2月の終わりの日曜日、友人と10年以上ぶりに訪れた街をふるえながら散策。 あるアンティーク家具屋さんに入ると(この写真のお店ではありません) 昭和時代の置時計がいくつか飾られていた。
「わあ懐かしい~」とわたし。 「懐かしいったって、子どもの頃こういう時計が 家にあったとかいうわけじゃないでしょ」と友。
「同じのはないけど、似たようなデザインのは家にあったよ」 「ええ~?」
「だって昔はこんな時計ばっかりだったじゃない」 「知らない。うち、時計がなかったもん」
「えっ?」 「だから何時までに何かしろとか親に一度も言われたことがない。 時計の読み方も小学校に入るまで知らなかったし」
「えー、でも幼稚園で時計の読み方は教わるじゃん」 「幼稚園行かなかったから知らない」
「あ、そうなんだ」 「行ったことはあるよ、幼稚園。何度かは行ったよ。 でも行くのをやめた」
「そっか」と応えながら、 また自分の常識が世界の常識みたいなことを言っちゃったなー という気まずさをちょっと感じつつも。
いい話だなーと思った。

凍えながら街をうろうろ歩き、 昔からある喫茶店に入ってやっと温まる。
わたしはたぶん15年ぶりくらい。 彼女は初めてのこの喫茶店。

昼食代わりのケーキ。

時計がいっぱいあるお店なのに 時間を忘れて過ごせるなり。
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