猫とワタシ

BACK TO BACK

背中合わせのNight&Day

この記事のみを表示する今夜も憤り

LIFE

3年前の冬、母方の祖父が亡くなった後、
祖父がとてもかわいがっていた犬の「2代目ピーコ」(フルネーム)は、
それからしばらくの間、いっさい何も食べなくなったのだという。
みるみる痩せて、毛が抜けて、体のあちこちに禿げができていたらしい。

誰かが祖父の死をピーコに教えたわけではなくとも、
祖父が遠くへいってもう戻らないことをピーコは感じとっていたのだろう。

そして泣いたり叫んだり、人間のように感情を外に出すことはできず、
悲しさや淋しさが癒えるまで、ただじっと耐えていたのだと思う。
何も食べないのではなく、何も食べられなくなっていたのだな、ピーコ。

一時帰宅も許されない原発3キロ圏内の町にある叔父の家の裏庭で、
ピーコは今頃どうしているのだろう。
ある日突然大地震が起きて、家のすぐ近くまで津波がきて、
さらに原発事故が起きて、その翌朝には避難指示が出て、
あの一帯のひとたちはバスに乗って一斉に町を離れなければならなくなってしまった。
叔父一家もピーコを連れていくことはできなかったはずである。
大きな体に繊細な心をもつ甘えん坊のピーコは、
それをどんな気持ちで見つめていたのかな。
あの土地が異常な事態に襲われていることは身体中で感じとっていただろうけれど、
家族はすぐに戻ってきてくれるだろう、と信じていたのじゃないのかな。

家族のほうも。
こんなに長くなるとは、
ましてや帰れなくなるなどとは思っていなかっただろう。


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