猫とワタシ

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背中合わせのNight&Day

この記事のみを表示する夏の銭湯 恋の思い出

LIFE

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前にも書いたことがあるけれど、
上京してきてからしばらくはお風呂のついていないアパートに住んでいた。
その頃おつきあいしていた人も、やはりお風呂のついていないアパートに住んでいた。
当時のバイトの関係もあり、お互い近所に住んでいたので、
よくふたりで銭湯に行っていた。

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つきあい始めた夏、私は数日間帰省した。
しかし郷里でのんびり過ごすよりも、早く東京に戻ってその人に会いたかった。ポッ。
いつもの帰省時より少し早めの、夕方頃に上野に着く特急で帰ってきた。
上野駅に迎えにきてくれたりしていないかなぁ、なんて淡い期待もちょっと抱いたけれど、
東京に戻る日は帰省前に伝えてあったものの
駅に着く時間までは教えていなかったのだから、
きてくれているわけがない。
それにその人はその日もバイトである。

夜になり、彼のバイトが終わる時間になった。
もしかしたら彼は今頃銭湯に行っているかもしれないという予感がした。
いそいそと銭湯に出かけると、想った通り、銭湯の玄関に彼のサンダルがあった。

彼が男湯から出てくるのを待ってから自分は入ろうかな? と一瞬思ったけれど、
自分もさっぱりした状態で会いたい。
そこで彼のサンダルの隣に、自分のサンダルをぴったりくっつけて並べておいた。
こうしておけばきっと私がきていることに気づいて、
彼が先に出ても待っていてくれるだろう。
ウキウキしながらすばやく湯を浴びた。
そして速攻で女湯を出た。
しかしロビーに彼の姿はなかった。
玄関を見ると彼のサンダルも消えている。

ええっ、どうしてっ。
サンダルを見て私が銭湯にきてるってわかったはずなのに帰っちゃったの!?
ひどい。ひどいよぉ。

ショックのあまりその場で泣き出しそうになった。
部屋に帰ってめそめそと泣いた。
そのうち泣き疲れて眠ってしまった。

しばらくして、誰かが部屋のドアを叩く音で目が覚めた。
ドアを開けると、その人が立っていた。
「いつ帰ってきたの?」
そう私に尋ねる彼は、やや疲れをにじませながら呆然としていた。
ついさっきまで上野駅に行っていたのだという。


彼は私が夜に着く特急で帰ってくるのだろうと思っていた。
久しぶりの帰省なのだからゆっくりしてくるだろうし、
ゆっくりしてきてほしいなと彼は考えていてくれていた。
その日彼はバイトの後に銭湯へ行き、
湯を上がると私を迎えに行くため、すぐに上野駅に向かった。
急いでいたので銭湯の玄関に並んでいた私のサンダルには気づかなかった。


そしていつまでたってもやってこない私を
駅で待ち続け、探してくれていた。


携帯やメールがなかったのはもちろん、
部屋に固定電話もまだ引いていなかった頃のお話。
ぷんぷん漂う昭和のかほり。
実際まだ昭和だったなり。

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恋は遠い日の花火ではないけれど(笑)、
これはあまりにも遠い日の恋の話。
このところ回顧モードつづきで失礼しやす。
とりとめなく思い出すままにアップしてしまいやす。

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それにしても回顧すればするほど、
自分ってやつぁ自分のことしか考えていなかったのだなぁ、
そして今も大いにそうであるなぁ、と思い知らされる。
恥ずかしくて痛くなる。


狭くて小さな心にはやさしい人の大きなあたたかさが沁みすぎて、
時にヒリヒリとした痛みとともに、胸をしめつけてくる。

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secret

神田川的恋の思い出神田川的恋の思い出

ってタイトルに書いてみたけど、そんな古くないね。ゴメン(笑)
風呂無し・電話無しなんて当たり前だった。トイレ共同も。
もちろんそうじゃない人たちもいたけど、私の周りには(本人や実家の財力に関係無く)
一人暮らしのスタート時には、そういう生活を選ぶ人が多かったように思う。

実に良いお話ですね。しみじみ。
グヌンさんはすごく可愛いし、彼はとてもカッコイイ。

ああ、昭和(懐)♪

BGMは・・・BGMは・・・

もう、冒頭から頭の中が「神田川」♪
勝手に鳴らしながら読ませていただきました。
携帯なんてなかったあの頃ならではの、ドラマがありますね~
ただ楽しいだけじゃない、
恥ずかしくて痛い思い出だからこそ胸に沁みるというか・・・

ナンマイダ~おじさんをニヤニヤしながら読んでいたら、
ふと子供のころに遭遇した露出狂のおじさんを思い出してしまった(汗)
私も回顧モード???

No titleNo title

同じく「神田川」ですねぇ。
情景が浮かんでくるような、いいお話。
一生忘れないであろう甘い思い出。
危ない思い出ばかりの自分にも欲しかったです(泣)

写真がまた良いですね~。
しばらく昭和モードのわたくし、gunungさんの思い出に
浸らせていただきます。

No titleNo title

gunungさん、まらぁ~む♪
あぁ~、なんかノスタルジック・ラブって感じですね♪
リアルタイムな雰囲気がちょっと分からないのですが、でもステキ!
サンダルを置いていたのに気づかれず、ないちゃうgunungさん、
かわいいけど、痛いほど気持ちが分かりますww

前に、テレビで、「電気のない生活をしてみよう」ってのを、女性芸人2人やっていたんですが、
携帯電話の充電が切れ、約束をしていたのに連絡がつかず、お互い違う場所でず~っと待っていて・・・
という場面を見ました。まさにそんな感じですかね!?
今はすごく便利ですが、でも携帯やネットも一長一短ですもんね。
こういう甘酸っぱい体験も、電話がなかった昭和だから、ですかね(^-^*)

素敵なお話素敵なお話

ううー、いいお話し。
確かに私も「神田川」がすぐに思い浮かびましたが、グヌンさんのお話の方がよっぽど素敵でロマンティック。
こんな思い出があるなんて!ほんと、いいなー。
きっとほかにもいっぱい素敵なエピソードがありそうですねー。
↓のナンマイダ~おっちゃんみたいな困った思い出もたくさんありそうですが。(笑)

No titleNo title

自分のことばっかり考えてるとは全然思いませんでしたよ。

ただ、彼のやさしさに心打たれました(泣)
素敵に人に出会えて素敵な思い出があって良かったですね~。
私も夕べ昔の彼の夢を見たところ(笑)
(自分のブログには書けません。内緒♪)
昔のこと、どんどん忘れていくのに、何の拍子か時々思い出しちゃう。
gunungさんも一緒かしら?

yoyatoraさんyoyatoraさん

yoyatoraさん、こんにちは~!

うふふ、まさに神田川的恋の思い出ですワ。
赤い手ぬぐいをマフラーにはしなかったけど
小さな石鹸はカタカタ鳴ってたなぁ、みたいな(笑)

> もちろんそうじゃない人たちもいたけど、私の周りには(本人や実家の財力に関係無く)
> 一人暮らしのスタート時には、そういう生活を選ぶ人が多かったように思う。

わあ、そうだったんですねー。
当時は学生向けの一人暮らし用の物件といえば、
そういう「下宿」感覚の住まいがまだ多かったのかもしれませんね。
ワンルームマンションなんてかなり珍しい存在だったような気がします。
ちなみに神楽坂の不動産屋さんの物件を見ていると
いまでも風呂なし・トイレ共同のアパートが結構あったりするんですよね。
それで4畳半一間で家賃3万5千円とか。なんだか神田川的!?ですー!

それにしてもほんと、ああ昭和(懐)♪、ですよね~。
♪昭和の恋の物語~(←銀恋の替え歌ネ)、でもありました(笑)

kotripさんkotripさん

kotripさん、こんにちは~!

にゃはは、BGMを鳴らしながら読んでくださってありがとうです(笑)
私もずーっと頭の中でリピートしちゃってます、「神田川」♪
そうですね、まさに携帯がなかった頃ならではのドラマかもー。
でもこういう話って懐かしいって思えるくらいまで時間が立たないと
なかなか書けないのものですね、ってそりゃそうですよね(なんだか赤面中)


しかしkotripさんも子供の頃そんな目に(泣)
子供相手の変態男はいつの時代もいるので回顧になりきらないところが
嘆かわしいですよね…って何だか変な文章ですが、
正直まじで絶滅してほしいですー!!(憤)

b_nomadさんb_nomadさん

b_nomadさん、こんにちは~!

いえいえ私も9:1くらいで危ない(あるいはヘンテコな)
思い出が勝ってますからぁ~。
今回は1しかない甘い思い出を引っ張り出してきてみました(笑)

私もnomadさんの影響で昭和の名曲を見直し(聴き直し?)中です♪
昭和の子供時代には歌手に憧れていたアタクシ(笑)、
我ながら身の程知らずじゃったなぁと恥ずかしくなりますが、
でもやはり憧れずにはいられない華やかさがあったのだわぁと再実感です。
昭和モードに私も浸ってしまいそうですわん。

ぽめちゃんぽめちゃん

ぽめちゃん、こんにちは~!

ねー、ノスタルジックでしょう?(笑)

> かわいいけど、痛いほど気持ちが分かりますww
分かってくれてありがとうです、うふっ。
もうほんと若い頃はこんなことくらいですぐに涙がだーだーで(爆)
歳をとるとそんな気持ちさえも懐かしくなってしまいます。。。

そうそう、携帯がない時代は何が大変だったって待ち合わせですよ~。
その芸人さんたちとまったく同じようなこと、私もありました。
今はその点、待ち合わせのトラブル?はほとんど回避できますもんね。
それはやっぱりいいことだ~携帯サマサマ~と思うのですが、
でも携帯がなかった時代の緊張感みたいなものも、
今の自分に必要かなぁ、なんてたまに思ったりしますわん。

hiyokoさんhiyokoさん

hiyokoさん、こんにちは~!

>グヌンさんのお話の方がよっぽど素敵でロマンティック。

きゃーありがとうございます♪めちゃ照れつつもうれしいです。
でもやっぱり神田川な世界ですよね、うふふ。
神田川と唯一決定的に違うのは、「若かったあの頃 何もこわくなかった」
とはいえないところです。
だってほんとにナンマイダ~おっちゃんみたいな思い出のほうが多いのですもん~(笑)

momokkaさんmomokkaさん

momokkaさん、こんにちは~!

> 素敵に人に出会えて素敵な思い出があって良かったですね~。
うん、本当にそうですね~。
本当にそうだわぁとmomokkaさんの言葉を読んでしみじみ思いました。
これってありがたくて幸せなことですね。

でもでも昔の彼が夢に出てきてくれるなんてうらやましいです~!
そういえば私は夢で会ったことがないかも(笑)
momokkaさんも素敵な思い出をたくさんお持ちなのですね♪

> 昔のこと、どんどん忘れていくのに、何の拍子か時々思い出しちゃう。
> gunungさんも一緒かしら?

一緒です~!
しかもこの頃は、近いことほど早く忘れてしまうというか…
ちょっと自分の脳みそが心配な状態です(汗)

涙っ!涙っ!

読み始めた時、みんなと同じく「神田川」が流れたわ~

自分のサンダルをピッタリ並べて・・・
・・・んーかわいいなあ~
素敵な恋の思い出!
彼がずっと待っていてくれた、
そして部屋に様子を見に来てくれた。
悪かったな~と思いながらも
愛されてる嬉しさでいっぱいになったよね~
あ~感動っ!
泣きそうだったよ~

そんな恋をもっとしよう!(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!

えこさんえこさん

えこさん、こちらにもありがとう!

> 悪かったな~と思いながらも
> 愛されてる嬉しさでいっぱいになったよね~

んだー。そうなんだー。
一言でいうとそういうことなんだどな~
今でも胸の奥がじわんとあったかくなります、思い出すと。


> そんな恋をもっとしよう!(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!

(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!!

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